竣工後10年経過した建物が、コンクリートのひび割れによる漏水やコンクリートの欠損、仕上モルタルのひび割れによる剥離、鉄筋や金物の錆びによるモルタルやコンクリートの欠損などのトラブルが生じた。
このまま放置しておくと、短期間で外装全体に老化現象が急速に進み、トラブルの範囲や規模が大きくなることが予想できる。
A原因
10年経過した建物のトラブルとして、保守管理上で補修の時期に達している。
しかし部分的に検討すると、コンクリート打ち放し部分のかぶり不足で、鉄筋の錆びによるコンクリートの欠損、モルタルの配合・下地処理・塗り方など、施工上の配慮不足によるものがあった。
B外壁ひび割れモルタル剥離に対する補修の考え方
この補修は、重大な欠陥が発生したための補修ではない。建物の寿命を長くすることが主眼である。
また漏水やモルタルの剥落による障害の防止も補修方針の要素である。
C補修の工法
1、ひび割れの補修はコンクリートとモルタルで、コンクリートは主に
漏水対策と構造耐力上を目的に、低い粘度のエポキシ樹脂接着剤を
注入した。
モルタルのひび割れは雨水などの水が浸入して冬期凍結による剥落
事故を防ぐため、グリス状の接着剤を注入する。
2、モルタルの剥離箇所には、200〜300o2に1か所の割合でグリス状
の接着剤を注入して、点付けによりコンクリートに固定する。
なお点付けの場合に直径5oの鉄製ピンを補強した。なお作業
でモルタルの固定の状態を確認するために、接着力の試験を実
施する。
3、鉄筋のさび、コンクリートが欠損した箇所はエポキシモルタルを
充填して補修する。
コンクリート面、鉄筋のさびの面は充分に処理をして、プライマー
を塗り、モルタルを充填した表面は電動サンダーで研磨し、平らに
仕上げた。
4、外部の補修が全部終了した後は、アクリルリシンを外装部全面に
吹付け仕上げをする。
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